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【喘息】吸入薬の種類と作用について解説します。

「喘息の真面目な話」は久しぶりの更新になりますね。

喘息持ちの方は知っている人も多いと思いますが、2020年8月、新しい喘息の吸入薬が販売開始されました。
5つ目のICS/LABAである「アテキュラ」、そして初めてのトリプルであるLABA/LAMA/ICS配合の「エナジア」で、ニュースか何かで見たことのある人もいるのではないでしょうか?

この機会に、他の吸入薬も少し詳しく解説していこうと思います。
今回は「吸入薬」のみです。内服薬や貼り薬などは需要がありましたら別でかこうと思います。







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吸入薬の種類について

一口に「吸入薬」と言っても、種類によって大きく4種類に分けられます。

実は以前、軽くですが紹介したことがあります。

 
かなり軽く触れただけなので、今回は詳しく解説していきますね。

吸入薬は大きく、「ICS」「LABA」「LAMA」「SABA」に分けられます。
個別の薬や、どれかを組み合わせた薬など、目的に合わせて選択できるようになっています。


吸入ステロイド【ICS : inhaled corticosteroid】
喘息の原因である気管支の慢性的な炎症を抑えるステロイド薬です。
喘息治療の第一選択の「長期管理薬」であり、症状が無くても気管支の炎症は続いているので、毎日きちんと続けることが大切なお薬です。

(引用:吸入ステロイド薬の解説


長時間作用型β2刺激薬【LABA : Long Acting Beta2-Agonist】
長時間にわたって気管支を拡張させ、咳や息苦しさを改善させる薬です。
気管支の交感神経β2を刺激することで気管支を拡げる薬ですが、発作時に使う「短時間作用型β2刺激薬(SABA)」と違い、急性の喘息発作には使えません。

(引用:長時間作用型β2刺激薬(吸入LABA)の解説


長時間作用型抗コリン薬【LAMA : Long Acting Muscarinic Antagonist】
神経伝達物質「アセチルコリン」の働きを阻害することで、気管支を拡げて喘息発作を予防する薬です。

(引用:長時間作用型抗コリン薬(吸入LAMA)の解説


基本的には、以上の吸入薬から、喘息のタイプや体質、治療ステップに合わせたお薬を選択して治療を進めることになります。


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吸入器の種類

吸入薬のデバイスとして、吸入器も色々な種類もあります。
吸入薬の名称に、薬の名前の後にあるのが吸入器の種類です。
例えば「アドエア ディスカス」だったら、薬の種類はアドエア、吸入器の種類はディスカス、という事になります。

長期管理薬(コントローラー)の吸入薬

吸入器の種類 特徴 薬の種類
エアゾール製剤
  • 薬剤を噴霧するため、強く吸い込まなくても吸入できる
  • 噴霧とタイミングを合わせて吸い込むため、慣れが必要
  • スペーサーや補助器具を使う事で、より簡単な吸入が可能
フルティフォーム
アドエア
フルタイド
オルベスコ
キュバール
etc.
エアゾール製剤
+スペーサー
  • スペーサーを取り付けることで、ふつうの呼吸で吸入ができる
  • 噴霧とタイミングを合わせて吸入する必要がないので、子どもや高齢者でも吸入しやすい
フルティフォーム
アドエア
フルタイド
オルベスコ
キュバール
etc.
エアゾール製剤
+スペーサー
+補助器具
  • スペーサーを取り付けることで、ふつうの呼吸で吸入ができる
  • 噴霧とタイミングを合わせて吸入する必要がないので、子どもや高齢者でも吸入しやすい
  • 補助器具を使うと、弱い力でも楽に薬を押すことができる
フルティフォーム
アドエア
フルタイド
オルベスコ
キュバール
etc.
タービュヘイラー
  • 下部グリップを回すことで薬剤を充填する
  • 薬剤の粒子が非常に小さいので、気管支の奥まで薬が届く
  • 吸入口がくわえやすい
シムビコート
パルミコート
ツイストヘラー
  • キャップを開けると薬剤が充填される
  • 薬剤の粒子が非常に小さいので、気管支の奥まで薬が届く
  • 残量がゼロになるとキャップが開かなくなるため、わかりやすい
アズマネックス
ディスカス
  • 吸入器と薬剤の一体型なので操作が簡単
  • 自分のタイミングで吸入できる
  • カウンターの数字で残量が確認できる
アドエア
フルタイド
セレベント
エリプタ
  • カバーを開けると薬剤が充填される
  • 1日1回の吸入で、24時間効果が持続する
レルベア
アニュイティ
レスピマット
  • ガスを使用せずに、液体を細かい霧状にして噴射する
  • 噴射時間が長いため、比較的簡単にタイミングを合わせられる
  • 最初のセットおよび操作時にある程度の力が必要
スピリーバ
ディスクヘラー
  • 比較的強く吸い込む必要がある
  • 薬剤が入ったディスクを交換し、吸入する
  • ディスクに書かれた数字で、残量が確認できる
フルタイド
セレベント
ブリーズヘラー
  • 透明のカプセルをセットして使用するため、吸入後にカプセル内の薬剤が無くなっているのを確認できる
  • カプセルがカラカラと回転する音で、正しく吸入できているか確認できる
  • スマホのアプリと連動させて服薬記録などを使えるセンサーを取り付けられる
アテキュラ
エナジア

発作薬(リリーバー)の吸入器

吸入器の種類 特徴 薬の種類
エアゾール製剤
  • 薬剤を噴霧するため、強く吸い込まなくても吸入できる
  • 噴霧とタイミングを合わせて吸い込むため、慣れが必要
  • スペーサーや補助器具を使う事で、より簡単な吸入ができる
メプチンエアー
ベロテック
サルタノール

スイングヘラー
  • 手のひらサイズで、携帯性に優れている
  • 吸入器と薬剤の一体型なので、捜査が簡単
  • カウンターの数字で残量が確認できる
メプチン
(引用:環境再生保全機構


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長期管理薬について

長期管理薬は、ICSを中心に、患者さんの状態や治療ステップに合わせてLABAとLAMAを組み合わせて使用する、喘息発作を予防するお薬です。

ICS/LABA/LAMA単剤薬

治療ステップ1の場合、ICS(低用量)だけの使用になります。
種類 薬剤
ICS オルベスコ インヘラー
パルミコート(タービュヘイラー/吸入薬)
フルタイド(ディスカス/ロタディスク/エアゾール)
キュバール エアゾール
アズマネックス ツイストヘラー
アニュイティ エリプタ
LABA セレベント(ロタディスク/ディスカス)
LAMA スピリーバ2.5μℊレスピマット


オルベスコ インヘラー
微粒子のエアゾール剤で中枢起動から抹消気道まで到達しやすいとされる吸入ステロイド薬です。
基本的に1日1回、または1日2回吸入するお薬です。
1日1回の場合、吸入は夜にするのが望ましいとされています。
「無水アルコール」が添加物として入っているため、アルコールアレルギーがある場合は使えません。
適用は治療ステップ1からの、喘息患者です。

パルミコート
吸入の仕方が「タービュヘイラー(ドライパウダー剤)」と「吸入液(ネブライザー)」がある、吸入ステロイド剤です。
タービュヘイラーの場合、微粒子のドライパウダー剤で薬剤が気管支や肺の奥まで届きやすいとされます。
1日2回吸入するお薬で、吸入量は症状によって変わります。

フルタイド
吸入の仕方が「ディスカス(ドライパウダー剤)」、「エアゾール剤」、「ロタディスク(ドライパウダー剤)」がある、吸入ステロイド剤です。
1日2回吸入するお薬です。

キュバール
エアゾール剤の吸入ステロイド剤です。比較的安価で、噴霧粒子が小さいため薬剤が肺の奥まで届きやすいとされます。
1日2回吸入するお薬です。
「無水アルコール」が添加物として入っているため、アルコールアレルギーがある場合は使えません。

アズマネックス
微粒子のドライパウダー剤で、薬剤が気管支や肺の奥まで届きやすいとされる吸入ステロイド薬です。
1日2回、1回1吸入を吸入するお薬で、1日の最大投与量は、年齢や症状によって適宜増減しますが、8回吸入が限度です。

アニュイティ
エリプタのデバイスで吸入する、ドライパウダー剤の吸入ステロイド薬です。
1日1回、1回1吸入を吸入するお薬です。

セレベント
長時間作用型β2刺激薬で喘息に保険適用される唯一の薬剤です。
吸入デバイスは「ロタディスク」と「ディスカス」があり、どちらもドライパウダー剤で、咳喘息の診断として使われることがあります。
1日2回、朝と就寝前に吸入します。

スピリーバ2.5㎍レスピマット
吸入抗コリン薬で喘息に保険適用される唯一の薬剤です。
吸入するには「レスピマット」というデバイスを使用します。
吸入は1日1回、1回2吸入するお薬です。
適用は治療ステップ2からの喘息患者です。


2剤配合薬

喘息に保険適用される2種類の合剤は、ICSとLABAの合剤のみになります。
LABAとLAMAの合剤はありますが、COPDにのみ適応されるため喘息の人には使えません。
また、ICSとLAMAの合剤はありません。
「ブデホル吸入粉末剤」は「シムビコート タービュヘイラー」の後発薬です。

ICSとLABAの合剤が使われるのは、治療ステップ2からです。
種類 薬剤
ICS/LABA アドエア(ディスカス/エアゾール)
シムビコート タービュヘイラー
ブデホル吸入粉末剤
フルティフォーム エアゾール
レルベア エリプタ
アテキュラ吸入用カプセル


アドエア
吸入デバイスが「ディスカス」と「エアゾール」がある「ICS/LABA合剤」のお薬です。
一般名は[サルメテロール/フルチカゾンプロピオン酸エステル]で、フルタイドとセレベントの成分を配合したドライパウダー剤です。
1日2回、1回1吸入するお薬です。

シムビコート
長期管理薬の他、発作時に追加吸入することができる「ICS/LABA合剤」のお薬です。
一般名は[ブデソニド・ホルモテロールフマル酸塩水和物吸入剤]で、パルミコートとβ2刺激薬を配合したドライパウダー剤で、β2刺激薬の作用発現が比較的早いため、発作時にも対応できるとされています。
1日2回、1回1~4吸入するお薬で、その他発作時にも使用します(SMART療法)
後発薬(ジェネリック医薬品)として「ブデホル吸入粉末剤」があります。

フルティフォーム
吸入デバイスに大きなレバーで操作をサポートする補助具がついているエアゾール剤で、「ICS/LABA合剤」のお薬です。
一般名は[フルチカゾンプロピオン酸エステル/ルモテロールフマル酸塩水和物]で、フルタイドとβ2刺激薬を配合した、エアゾール製剤です。
1日2回、1回2吸入するお薬です。
「無水アルコール」が添加物として入っているため、アルコールアレルギーがある場合は使えません。

レルベア
1日1回の吸入で24時間呼吸改善効果が持続する「ICS/LABA合剤」のお薬です。
一般名は[ビランテロールトリフェニル酢酸塩・フルチカゾンフランカルボン酸エステル]で、フルタイドと長時間作用型β2刺激剤を配合した、ドライパウダー製剤です。
1日1回、1回1吸入するお薬です。

アテキュラ吸入用カプセル
喘息治療薬として5つ目の「ICS/LABA合剤」の「アテキュラ®吸入用カプセル低用量・中用量・高用量」です。
一般名は「インダカテロール酢酸塩・モメタゾンフランカルボン酸エステル」で、アズマネックスとβ2刺激薬を配合した、ドライパウダー製剤です。
吸入デバイスには「ブリーズヘラー」を使います。
1日1回、1回1回吸入するお薬です。


3剤配合薬

喘息に保険適用される3種類の合剤は、エナジアのみになります。
他の2種類の薬剤はCOPDにのみ適用されるため、喘息の人には使えません。
種類 薬剤
ICS/LABA/LAMA エナジア吸入用カプセル


エナジア吸入用カプセル
喘息治療薬としては世界初の「3成分配合」の喘息治療薬、「エナジアTM吸入用カプセル中用量・高用量」です。
一般名は[インダカテロール酢酸塩・グリコピロニウム臭化物・モメタゾンフランカルボン酸エステル]で、アテキュラに、現在COPDに適応があるLAMAのシーブリが配合された、ドライパウダー製剤です。
吸入するには「ブリーズヘラー」というデバイスを使います。
1日1回、1回1吸入するお薬です。
適用は治療ステップ3以上の喘息患者で、販売開始から1年間は2週間処方になります。

(引用:日経メディカル 処方薬事典/アレルギー・呼吸器疾患治療薬


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発作治療薬(SABA)

交感神経β2受容体を刺激することで、気管支を素早く広げ、呼吸を楽にして喘息発作を和らげる吸入薬です。
「リリーバー」と言ったりします。
過剰使用などによって頻脈や動悸が現れることがある為、用法用量を守った使用が大切となるお薬で、指示通りに使用しても発作が治まらない場合は速やかに受診するようにしましょう。

種類 薬剤
SABA サルタノール インヘラー
ベネトリン吸入液
ベロテックエロゾル
メプチン(エアー・スイングヘラー・吸入液)

サルタノール
昔から使われている、発作を鎮めるエアゾール薬剤です。
通常は3時間以上効果が持続しますが、過剰投与すると不整脈や心停止を起こす恐れがあるため注意が必要です。
1日3~4回まで、成人1回1~2吸入、小児1回1吸入するお薬です。
うまく吸入できない人の為の補助器具があります。

ベネトリン吸入液
サルタノールと同じ成分のネブライザー吸入薬です。

ベロテックエロゾル
発作を鎮めるエアゾール薬剤です。
成人1回2吸入、小児1回1吸入し、2~5分経っても効果が不十分の場合は更に1~2吸入します。それ以上の追加吸入を行う時は、過剰投与による不整脈や心停止を防ぐために、少なくとも6時間以上の間隔をあけ、1日4回までとされます。
また、カテコールアミンを投与中であれば使用できません。
「無水アルコール」が添加物として入っているため、アルコールアレルギーがある場合は使えません。

メプチン
様々なデバイスのある発作を鎮めるお薬です。
エアゾール剤:エアー、キッドエアー
ドライパウダー剤:クリックヘラー、スイングヘラー
吸入液(ネブライザー吸入):吸入液、吸入液ユニット
成人1回2吸入、小児1回1吸入で、原則として成人8吸入、小児4吸入までとされるお薬です。
エアゾール剤には「無水アルコール」が添加物として入っているため、アルコールアレルギーがある場合は使えません。ドライパウダー剤と吸入液剤には無水アルコールは含まれていません。

以前は「アイロミール」という発作治療薬もありましたが、現在は販売終了しています。



(引用:日経メディカル 処方薬事典/アレルギー・呼吸器疾患治療薬


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まとめ

吸入薬だけでかなりの量がありますね…。
これらの薬の中から、お医者さんは個々の状態や生活習慣、症状の状態などを総合的に判断してお薬を処方しているわけで…。

喘息の吸入器は、何年も付き合う相棒のような存在です。合うものを探すのは大変ですが、ベストパートナーに出会えるように頑張りましょう。

そして、たまに「同じ薬を何年も使い続けて、効かなくなったりしないの?」と聞かれることがあるので、ここで触れておきます。
お薬は、使い続けても効かなくなったりはしません。逆に、「使ったり使わなかったりする」と、効かなくなります。
でも段々効かなくなるんだもん! と思われた方もいるのではないでしょうか?

実は、きちんと吸入しているつもりでも、使用が長期にわたると慣れてしまって、使用方法が自己流になってほとんど吸い込めていなかったり、実は間違った吸入方法になってしまっていたりすることもあります。なので、医師や薬剤師の定期的な吸入指導を受けるようにしましょう。
自分でもたまに、吸入の方法について見直してみるといいです。

ちなみに私は、新しい吸入器を開けるタイミングで吸入方法のしおりを読み返しています。
それでも、この間アドエアの吸入の際に薬を水平に持っていなかったことが判明しました…。人に見てもらうのって大事…。

いつも引用させていただいている「環境再生保全機構」のサイトで、正しい吸入の仕方を動画で説明していますので、是非見てみてください。
めっちゃ勉強になりますよ。





以上、吸入薬の種類と作用について解説してみた、でした。
もし、内服薬やその他の喘息の薬についても解説して欲しい、という方がいましたら、コメントしていただけると嬉しいです😊



ネブライザー吸入、病院でだけではなく、家でもできるように、と今は色々な機械が販売されています。病院から貸し出される人もいるそうですね…Twitterで教えてもらってびっくりしました。
症状が安定しなくて、吸入器だけでは不安がある場合には、主治医の先生と相談してネブライザーの購入も考えるといいかもしれません。
ということで、ネブライザーのオススメ。
ネブライザーの機械って病院にあるような大きいのしかないのかとおもっていましたが、コンパクトサイズなんてものあったんですね…。軽量・コンパクトで、旅行の時にいいですよね。

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