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【喘息】「呼吸機能検査」について解説します。

気管支喘息の他、呼吸器内科の検査でやることが多い「呼吸機能検査」ですが、

「苦しいだけで何を検査してるんだかわからない!」
「家でやるピークフローと何が違うの?」

という疑問のある人もいらっしゃるということで、今回は「呼吸機能検査」を詳しく解説します。


そもそも、「呼吸」とはどういう仕組みなのでしょうか。

「酸素吸い込んで二酸化炭素吐き出すことでしょ?」
と思われた方。正解です。

でもこれだけだと、呼吸機能検査の説明ができないので、もう少し詳しく、呼吸器や呼吸生理から説明していきますね。


(引用:環境再生保全機構 ぜんぶわかる呼吸の事典






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呼吸器のしくみ

「呼吸器」とは、鼻腔から肺までで構成される、呼吸を司る器官です。

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「上気道」:鼻腔、咽頭、喉頭
空気を取り込んで加温・加湿・清浄化します。

「下気道」:気管、気管支、細気管支
取り込まれた空気は、気管支が樹木のように広がって肺の隅々まで酸素を届けます。

「肺」:気管支、細気管支、肺胞
空気中の酸素と、細胞から排出された二酸化炭素が血液を介して交換されます。(ガス交換)


「呼吸」とは
呼吸は、酸素と二酸化炭素の交換が最大の目的であり、外気と血液のガス交換を「外呼吸(がいこきゅう)」といいます。
一般的に呼吸といえば、この外呼吸のことを言います。
ちなみに「内呼吸(ないこきゅう)」とは、血液によって運ばれた酸素が細胞で交換されること、つまり血液と細胞のガス交換を言います。

吸気(きゅうき・外気を吸い込む)と呼気(こき・二酸化炭素や窒素を吐き出す)で外気が出入りすることを「換気(かんき)」といいます。
呼吸器の病気になると、この換気量が低下しやすくなります。



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肺活量


肺の中の空気の量を「肺気量」といい、種類が色々とあります。
その中でも「肺活量」は、呼吸機能を評価する上で大切な指標です。

1回換気量(TV:tidal volume)
安静時の自然な呼吸で肺に出入りする空気の量。
健康な成人では500mlが目安

予備呼気量(ERV:expiratory reserve volume)
普通に息を吐いた後、さらに吐き出すことができる空気の量。

予備吸気量(IRV:inspiratory reserve volume)
普通に息を吸った後、さらに吸い込むことができる空気の量。

残気量(RV:residual volume)
めいっぱい息を吐いた後に、肺に残る空気の量。
検査では測定できない。

肺活量(VC:vital capacity)
息を深く吸い、めいっぱいに吐き出したときの空気量。
肺に出入りできる空気の最大量で、呼吸機能を見るときの指標となる大事な数値です。



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呼気流速

息を吐いたときの気流の速度のことです。
肺活量と共に、呼吸機能を評価する上で大切な指標です。

息を普通に吐くと、抹消の気管では空気抵抗が少なく、流速の影響も少ない。
しかし、思い切り息を吐くと、気道内圧が高まって気道抹消の抵抗が大きくなり、息を吐きにくくなる。気管支が狭くなっていればさらに抵抗は高まるため、「息の吐きにくさ」を調べるが「努力肺活量(FVC)」で、「フローボリューム曲線」で表示されます。

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大きく息を吸い込んだ後、力強く一気に吐き出すと、呼気の流速は一気にトップスピードに達します。この時の最大値が「ピークフロー」と呼ばれ、喘息の評価での大切な指標となります。
そこからさらに吐き続けると、流速はゆっくりと落ちていき、息をすべて吐き終わった所で流速も止まります。


肺活量(VC:vital capacity)
最大限に吸い終わった所(最大吸気位)と、最大に吐き終わったところ(最大呼気位)の差が、「努力肺呼吸」と呼ばれます。
年齢や性別、身長から算出される基準値に対する割合は、「%VC」といいます。

1秒量(FEV1:forced expiratory volume in 1 second)
努力性肺活量のうち、最初の1秒間に吐き出した空気の量のこと。

1秒率(FEV1%:forced expiratory volume percent in 1 second)
努力性肺活量で最初の1秒間で、全体の何%分を吐き出せたのかの割合のこと。
1秒率が70%以下の場合、喘息が疑われます。

%1秒量
(%FEV1:percent of predicted forced expiratory volume in 1 second)
性別や年齢、身長から算出する標準的な1秒量に対し、その人が1秒間で何%吐き出せたのかの割合のこと。



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呼吸機能検査について

呼吸機能検査では、スパイメトリーという機械を使って呼吸の状態を検査します。
気管支の「空気の通りにくさ」を調べるための検査で、呼吸のグラフから換気障害のタイプがわかります。
患者自身にもつよい息苦しさも伴いますが、喘息や他の呼吸器疾患の状態を確認するために大切な検査です。


検査の手順

1、器具の装着
鼻をつまんで口呼吸の練習をした後、ノーズクリップを付けて鼻から空気が漏れないようにします。

2、安静換気
マウスピースをくわえ、姿勢を正して普段と同じリラックスした呼吸を3回程します。
ここで、「一回換気量(TV)」がわかります。

3、努力吸気&呼気
安静換気で吸い込んだ所から、最大呼気位までゆっくり息を吐ききります。
全部吐き終わったら、ゆっくり最大吸気位まで息を吸い、またゆっくりと息を吐ききります。
ここで、「吸気肺活量」と「呼気肺活量」がわかります。

4、催促での最大呼気
安静換気で呼吸を整えたあと、最大吸気位までゆっくり息を吸い込み、合図に合わせて最大呼気位まで一気に息を吐き出します。
喘息などの気道閉塞を疑う場合は、気管支拡張剤を使った後もう一度測定することがあります(気道過敏性試験)。
ここで、「努力肺活量」と「フローボリューム曲線」がわかります。


換気障害のタイプ

「%肺活量」と「1秒率」から、換気障害のタイプがわかります。

・「%肺活量」が80%未満
拘束性換気障害(肺が伸び縮みしにくくなっている状態)と判断できます。
考えられる疾患は、「気胸」「無気肺」「肺水腫」「非結核性抗酸菌症」「間質性肺炎」など。

・「1秒率」が70%未満
閉塞性換気障害(気管支が閉塞している状態)と判断できます。
考えられる疾患は、「COPD」「気管支喘息」など。



喘息の管理や状態の評価のために、呼吸機能検査は大切な検査です。
どうして大事か、どういう検査なのかを理解して受けることも、自分の体のことを知るという事で大切なことだと思います。


次回は、「肥満と喘息について」です。
わりと知らない人も多い、肥満と喘息の関係について解説してみます。



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