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【喘息】「難治性喘息」って何?

気管支喘息には、色々な種類があることは今までの記事でも紹介してきました。

小児喘息
気管支喘息
咳喘息
運動誘発性喘息
アスピリン喘息
職業性喘息
etc...


その中の、「難治性喘息」について解説します。

難治性喘息をきちんと説明しようとすると膨大な情報量になるので、何回かに分けます。
今回は、難治性喘息の説明と、他の喘息に似た疾患の紹介について。





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「難治性喘息」と「気管支喘息」の違いって?

そもそも、「難治性喘息」の定義とは何でしょうか。

「喘息予防・管理ガイドライン2018(日本アレルギー学会)」によれば、
コントロールに高用量吸入ステロイド薬および長時間作用性β2刺激薬、加えてコントロールに高用量吸入ステロイド薬および長時間作用性β2刺激薬、加えてロイコトリエン受容拮抗薬、テオフィリン徐放製剤、長時間作用性抗コリン薬、経口ステロイド薬、IgEやIL-Sを標的とした生物化学製剤の投与を要する喘息、またはこれらの治療でもコントロール不能な喘息
と定義されています。

つまり、十分な投薬治療を行っているにも関わらず、コントロールができていない喘息、という事になります。
難治性喘息は、一般的に「重症喘息」とも呼ばれます。


白血球の一種である好酸球などが気道で増殖し、活性化することで気道の表面が何度も傷つき、気道の壁が過敏になり、厚く硬くなってしまうことで発作を起きやすく、治まりにくくなってしまいます。

この気道が硬くなってしまうこと「気道のリモデリング」と言います。
また、気道の壁が過敏になること「気道の過敏性亢進(かびんせいこうしん)」と言います。


難治性喘息は、成人の喘息患者の15%、小児の喘息患者の3%であり、様々なタイプがることがわかってきています。


難治性喘息のタイプ

  • 小児発症型(子どものころから喘息がある)
  • 成人発症型(大人になってから喘息になった)
  • アトピー型(IgEが検出される)
  • 非アトピー型(IgEが検出されない)
  • 肥満型(BMIが高い)
  • 呼吸機能低下型(呼吸機能が低い)
これらがさらに重なり合う事で、患者ごとに多様な特徴が現れます。
また、難治性喘息の炎症原因として、55%が好酸球が炎症の原因である「好酸球性喘息」21%が好中球が原因である「好中球性喘息」といわれています。



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難治性喘息の診断

難治性喘息だと診断されるには、色々としなければならないことがあります。

まず、「なかなかコントロールできない喘息症状が、本当に喘息によるものかを診断すること」です。
喘息に似た別の疾患でないことを再評価する、または喘息と合併した他の病気が原因で喘息を難治化させている可能性を探る、ということですね。


喘息に似た他の疾患

喘息と似た病状の病気にはいくつか種類があります。

声帯機能不全(VCD:Vocal Cord Dysfunction)
気管支の閉塞ではなく、声帯の一時的な開口不全によって上気道部に喘鳴が生じる病気。
気道に問題はないので、呼吸困難は起こらず、SpO2が下がることはありません。
特徴として、「喘鳴・呼吸困難感が日中に多い」「喘鳴が吸気で強い」「呼吸機能検査が正常、または上気道閉塞パターン」があります。

気管支喘息と診断された患者の3~5%、治療抵抗性喘息の30%にある病気であり、気管支喘息と合併して起きていることも多く、喘息発作ではなくVCDの状態を見分けるのが難しいのも、特徴です。

喘息発作と間違いやすいvocal cord dysfunction(VCD)2019.01.12


心不全
心臓の病気(虚血性心疾患、心臓弁膜症、心筋症など)によって、心臓の機能が下がることで肺がうっ血し、呼吸困難や咳、血性痰、頻脈や動悸が起きることがあります。
特に60歳以上の患者さんに多いとされ、体を動かしすぎた日の夜に急に息苦しさが増したり、風邪や寒さで症状が出やすくなったりします。


肺がん
気管支や肺胞にできるがんで、気管支が物理的に狭くなることで喘鳴が出たり呼吸困難になることがあります。


慢性閉塞性肺疾患(COPD)
長期間の喫煙などが原因で肺に炎症が起こり、肺胞が壊れて息が吐きだしにくくなる病気です。
厚生労働省の調査によると、平成27年の調査では、COPDは日本人の死因の第10位です。

特徴として、「体を動かしたときに息切れや咳、痰などが現れる」「安静時や就寝時には症状が怒りにくい」とあります。
喘息とCOPDが合併することは、特に高齢者に多くみられます。
合併していると喘息が悪化する頻度が高く、QOL(生活の質)も下がります。


気管支拡張症
何らかの原因によって、気道の壁が壊れたり弱くなったりして気管支が広がってしまっている状態のことです。
生まれつきや、気管支に慢性的な炎症が続いた結果後天的に引き起こされたり、肺結核などの感染症に伴って発症する場合もあります。
黄色味がかった痰、血痰が慢性的に出ることや咳、呼吸困難が特徴で、慢性副鼻腔炎を合併することもよくあります。


気管支結核症
結核菌の感染によって引き起こされる、病変が肺ではなく気管支に起きる結核。
特徴は、長引く咳で、排菌率が高いため、周囲に同じような長引く咳をしている人がいる場合は、主治医の医師に報告するようにしましょう。


胃食道逆流症
胃酸が食道内に逆流することで、胸焼けや喉の不快感などの症状を起こす病気です。「逆流性食道炎」の名前の方が一般的ですね。
咳や喘鳴が出ることもあり、気管支喘息を増悪させたりすることがあります。
喘息発作の前に胸焼けなどの逆流症状が現れる、食事で発作が誘発される、仰臥位で喘息発作が増悪する、アレルゲンの原因が明らかではない喘息といった特徴があれば、胃食道逆流症を疑ってみる必要があります。

増悪させる理由は、逆流した胃内容物を気管内に吸い込んで喘息症状を起こす、または胃酸で食道を刺激することで気道過敏性を亢進させるという説があります。


過換気症候群
不安や緊張などで呼吸が荒くなると、二酸化炭素が必要以上に吐き出されてしまい、血液が中性からアルカリ性に偏ることで息が苦しくなる。
口を袋などで覆うペーパーバック法は、二酸化炭素が増えすぎたり酸素が足りなくなったりする危険がある為、できるだけゆっくり大きく呼吸するようにさせることで落ち着く。


好酸球性多発血管炎肉芽腫症(EGPA)
重症の喘息があり、好酸球の増加とともに全身に血管炎(小血管の炎症)が発症する、まれな疾患です。
手足の抹消の痺れや筋力低下が特徴で、皮疹や腹痛、心不全、不整脈、好酸球性肺炎なども起こします。


アレルギー性気管支肺アスペルギルス症
アスペルギルス・フミガタス(空気中のカビの一種)を長期にわたって吸い込むことで発症し、喘息を悪化させる病気です。
一部の人には、気管支や肺を徐々に破壊し、呼吸不全を引き起こします。


その他
化学物質過敏症誤嚥気胸など、喘息のような症状を引き起こす病気はたくさんあります。


喘息と合併しやすい疾患

喘息は、他のアレルギーが関係した病気や、気管支と繋がっている鼻や副鼻腔の病気の合併が多いことがわかっています。

アレルギー性鼻炎
花粉症などが最も多い、アレルギーが原因の鼻炎です。
鼻の粘膜に入った異物を排除しようとする反応が過剰に起こり、主に鼻水、鼻づまり、くしゃみ等の鼻炎症状が続く状態を言います。
アレルギーの原因として最も多いのが花粉で、成人患者の約90%が花粉症と言われています。
花粉以外にも、ハウスダストやカビ、ペットの毛など原因は色々とあります。


副鼻腔炎
鼻の周りにある空洞に炎症が起こり、膿や分泌物が溜まってしまう病気です。
慢性の副鼻腔炎は蓄膿症とも呼ばれます。
成人の気管支喘息に合併することが多く、治りにくいため、嗅覚の低下や鼻づまり、粘りのある鼻水などの症状があれば医師に相談するようにしましょう。

慢性副鼻腔炎の中でも、治りにくいタイプの「好酸球性副鼻腔炎」もあります。
これは、鼻茸ができやすく再発しやすく、嗅覚障害を合併することが多い疾患で、中等症や重症の好酸球性副鼻腔炎は、国の難病に指定されています。


アトピー性皮膚炎
かゆみのある湿疹が、慢性的によくなったり悪くなったりを繰り返す病気。
皮膚の乾燥とバリアー機能の異常が根本にあり、そこへ様々な刺激やアレルギー反応が加わって生じると考えられています。
アトピー型喘息の人に多くみられます。



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まとめ

他の疾患が確認できなかった場合、また、合併している疾患が喘息増悪のきっかけでない場合、吸入ステロイドや経口薬の使用方法が正しくできているかを確認します。
さらに、生活環境やストレスなどの他の要因も併せて考えます。

これらの他の疾患が喘息増悪の原因の場合、吸入ステロイドなどの喘息治療をしても効果が得られることはなく、改善しない喘息が他の疾患に原因があると気づくポイントになります。

難治性喘息の場合、吸入ステロイドは「十分に効果を示さない」のであり、「全く効かないわけではない」、というのが大切なポイントですね。


長くなったので、「難治性喘息の種類と治療について」は次回。




クッションは喘息の人にはあまり良くないんですが、発作時はクッションおおきいのがあった方が絶対にいいです。
もたれても、座っても、覆いかぶさっても、背中を支えてもらっても、握りしめてもいいので…!

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