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真面目なブログシリーズ。
今回は「喘息を悪化させないために、日常で気を付けること」です。

喘息は、生活環境に影響を受ける病気です。

できる限り発作を起こさないように気を付けたい…でも何をどうすればいいの? という方も多いと思います。
そして意外と多い「喘息の人には禁忌」の物にも触れていきます。

それダメなの!? って思ってもらえたらうれしいです。
喘息のない人にも、「これ喘息の人にはダメだから、そばで使わないようにしよう」と思ってもらえたら、もっといいな。


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日常で気を付ける為に

喘息をコントロールするために、毎日の吸入やお薬を使うのが大事なのは、今までの記事で書いてきました。
その他にも、アレルギーを起こさないために、ハウスダストやカビ、ダニ、ペットの毛、花粉なんかにも気を付けるように、と医師に言われていると思います。

喘息の人は、とにかく生活に気を付け続けないといけないので、最初のうちはとにかく大変です。
生活が一変しちゃうわけですしね。

あれもだめ、これもだめ、ネットで確認すると、「ダメとは言わないけど避けたほうがいい」とか、「こっちの人はいいって言ってるのに、あっちの人はダメって言う」なんてこともしょっちゅう。
情報過多な現代では、どの情報が正しいのか迷っちゃいますよね。

というわけで、基本的なところから。


まず、最も大事なのは、自分のアレルゲンを把握すること、です。

ハウスダスト、ダニ、カビ、そしてペット。
特にダニは、ダニの死がいやフンなどが空気中に舞い上がり、知らずに吸い込んで気管支にアレルギー症状を引き起こします。
ダニはハウスダストと人のフケや脂などを餌として繁殖するため、ハウスダストの除去とカビの退治をしましょう。

喘息は、生活環境が大切な病気です。
発作が起きていなくても、アレルギーを起こさないように環境改善を継続していく必要があります。

慣れるまでは大変ですが、「きれい好き」「自己管理が上手」というスペックが手に入れられるチャンス、と思って頑張りましょうね!


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発作を起こさないために気を付けることとは?

では、発作を起こさないようにするには、具体的にどうすればいいんでしょう?

・薬をちゃんと使う。
・生活環境と整える。


大きく分けると、この2つが大事なことです。

しかし、「生活環境を整える」と言われても、漠然としていて何をすればいいのかわからない、という人は多いと思います。
なので、その辺のことを少し解説していきます。

発作を起こさないようにするために、大事なのは「掃除」「湿度」「発作増悪要因の除去」です。

他にも、3食きちんと食べて体調を整えること睡眠をしっかりとって疲れをためないこと適度な運動で体力をつけることそしてストレスをためないようにマメに発散すること、です。

発作増悪要因の除去、とは、普段の暮らしの中で使うものでも、喘息発作を誘発するものを除去するということです。
が、これが地味に多くて、「これも駄目なの!?」というものであふれています。
予想外の物も駄目だったりするので、チェックと情報収集はとても大事ですね。

「掃除」について

喘息対策の掃除は、とにかくこまめに、が大事です。
注意すべき点が多いので、箇条書きでまとめます。

引用は、環境再生保全機構から。


▶ダニ対策(ほこりをためないこと)

ダニはほこりやヒトのフケなどを餌に繁殖するので、室内にほこりをためない対策、寝室・寝具の対策が中心となります。
また、ダニは湿気の高い場所を好むので、湿気対策も併せて行いましょう。

  • 布製のソファーなどは、皮やビニールに変更する(布製家具はほこりを出しやすい&たまりやすい)
  • ラグやカーペットはできるだけ置かない。
  • クッション、ぬいぐるみはこまめに洗濯する(できれば置かない)
  • 畳の部屋はできればフローリングにする(ほこりがたまりやすい)
  • 照明の傘は定期的にほこりを払う。できれば天井据付型にする。
  • 寝室には空気清浄機を入れる。
  • ほこりが溜まらないように、あまり物を置かない部屋づくりをする。
  • フローリングの床は、週に一回はクイックルワイパーなどで拭き掃除をする(毎日が望ましい)
  • 本棚はハタキなどでこまめににほこりを払う。
  • 棚の上など、家具の上もこまめに拭き掃除をする。
  • ベッド等で、できるだけ床から20~30cm高い所で眠るようにする。
  • 布団の上げ下ろしをした場合は、2時間ほど窓を開けて換気をする。
  • エアコンは年に2回、さらに使用開始直前に掃除し、その後は毎週掃除する。
  • 観葉植物はベランダに置くなどする(湿度が上昇するため)
  • 浴室や台所、押し入れは十分に換気する。
  • 寝具は定期的にほし、掃除機をかける。
  • シーツなどの寝具は定期的に洗濯する。
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▶カビ対策(ダニ対策+湿度対策)

ほとんどの場合、ダニアレルギーも併発するので、まずダニ対策を行います。

  • 湿度を上げすぎないように、こまめに窓を開けて換気する。
  • タンスや物置など、空気の通り道を作って湿気がたまるのを防ぐ。
  • 窓の結露はこまめに拭きとる。定期的に窓枠の掃除をする。
  • 室内干しはできるだけ避ける。
  • 加湿器、除湿器で湿度をコントロールする(推奨湿度は40~60%
  • 浴室は濡れたままにしておかない。
  • 畳の上にカーペットを敷くと湿気がこもるので、敷かないようにする。
  • エアコンはカビ防止のフィルターなども活用する。
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▶ペット対策(ダニ・動物アレルギー対策)

大前提として、ペットは飼わない。
小さなペットのほうがアレルギー症状は出やすいため、どうしても飼うなら室外にする。

  • 1~2週間に1度、ペットを洗う。
  • 寝室には空気清浄機を置き、絶対に入れない。
  • 薬の併用・または増量する。
  • ペットに触ったらすぐに手洗いをする。



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「喘息増悪要因」とはなにか?

「喘息増悪要因」とはなんでしょうか。普通に暮らしていると聞かない言葉ですよね。

簡単に言うと、「喘息を悪化させるもの(要因)」です。

ちゃんと吸入ステロイドを使っているのに、なかなか発作が止まらない、外では発作出ないのに特定の場所では息苦しくなる、と言ったように、なぜか喘息が良くならない、と思っている人の身近に、この「喘息増悪要因」があったりします。
きちんと治療しているにも関わらず悪化するには、どこかに原因があるはずです。それを見つけられる手助けになればいいな、と思います。


増悪要因、として名高いのはやはりタバコ。これはもうダントツで、自分で吸うのも、副流煙を吸い込む(受動喫煙)も喘息を悪化させます。
ハウスダストやカビ、ダニなどのアレルゲンや、ストレス、過労、風邪、気圧の変化、急な運動なんていうのも、人によっては悪化要因となります。

そして、化学物質。これが意外にやっかいで、かつ種類も多く、日常的に使われているものでもあります。

化学物質が何故喘息を悪化させるのかというと、化学物質は気道を刺激してしまうからです。
喘息、つまり荒れて過敏になっている気道を刺激すれば、簡単に発作が起きてしまうというわけですね。

化学物質はPM2.5と同じように粒子が非常に小さいため、呼吸と一緒に入り込み、肺の奥深くにまで入ってしまうのです。
そのため、日常生活の中で使用するものには注意しなくてはいけません。

除去としては、まず使わないこと。これに尽きます。
どうしても使わないといけないものは、天然成分の物に変更したり、色々試してみて発作が出ないものを使うようにしましょう。


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さまざまな「化学製品」

身近にある化学物質(大気汚染物質)としては、車の排気ガスや黄砂、PM2.5などが有名ですが、もっと身近にも色々とあります。


▶芳香剤

トイレや玄関、靴箱などに置いてあるアレも、喘息の増悪要因となります。
またトイレや玄関などは密閉空間になるので、匂いや成分が充満しやすく、芳香剤のキツイトイレで具合悪くなった、という経験をしたことある人も多いのではないでしょうか。

対策としては、使わないか、無香料のもの、ポプリなどの自然の匂いに変える、ということです。
外の場合は、すぐに息を止めてその場を離れる、換気をする、という方法があります。


▶防虫剤

”匂いほとんどしないじゃん?”と思われた方もいるでしょうが、匂いはしなくとも「虫を寄せ付けない成分を放出している」ということです。
私は結構臭いとおもうんですけどね、防虫剤。
衣類に化学物質の成分がたっぷり染み付いているので、それを着たら「化学物質を身にまとっている」と言う状態になります。呼吸の度に成分を吸い込み、動くたびに成分が周囲に広がることになるので、できるだけ使わないで、アロマや天然成分の物に変えましょう。


▶蚊取りなどの虫よけ

これは特に要注意です。これからの季節出番が増えますからね。
蚊取り線香の煙が喘息発作を誘発するのは有名ですが、薬剤噴霧式の蚊取りも、蚊取り線香以上に喘息を悪化させます。
匂いがしないと思っても、薬剤が空気中に充満するので、使ってはいけません。

私が2019年に重積発作を起こした際、重なりまくった発作要因で、トドメを刺したのがこの「薬剤噴霧式の蚊取り剤」でした。要注意ですほんと…。
この手の薬剤は、必ずパッケージに「喘息の人は使用しないでください」とかいてありますので、必ずチェックして買うようにしましょう。


▶消臭剤

よくあるスプレーなどの消臭剤も、エタノールなどの化学物質が含まれているので注意が必要です。
シュッとすると、霧状になった成分が気道に入ってきてしまうので、使うなら窓を開けて、マスクをして使いましょう。


▶ストーブなどの暖房器具

特に石油、ガス、薪ストーブは、燃やすのも消すのも空気が汚染されるので、使う場合は換気に気を付けましょう。


▶ペンキ

日常で使う人はあまりいないと思いますが、ペンキにも化学物質がたっぷり含まれており、独特の匂いがします。
使う際は体調の悪い日を避け、換気をしっかりして、マスクをつけ、時々休憩して外の空気を吸いながらにしましょう。


▶携帯用空間除菌剤

情勢柄、これを持っている人も増えていますが…首からぶら下げるネームプレートみたいなやつですね。
これは喘息の人には禁忌です。使われている二酸化塩素は、喘息の人には発作を誘発するとして、パッケージにも「喘息の人は使用しないでください」と書かれています。
ただ知らないで使っている人はおおいので、首からぶら下げている人を見たら4mほど離れるようにしましょう。


▶スプレー

制汗スプレーやヘアセットスプレーなどは、オゾンを含んでいるため喘息増悪の要因です。
出来れば使わないか、どうしても使いたいときはマスクをして、換気をして、できれば息を止めて使用しましょう。


まとめ

以上、「日常で喘息を悪化させないように気を付けること」でした。

日常で使う色々なものに、喘息の増悪要因は隠れています。もし、ちゃんと治療しているのに発作が治まらないと悩んている方、一度見回りの物を見直してみてください。

治療していても悪化するには理由があるはずです。それを見つけられる手助けになれればうれしいです。




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